大乗仏教と上座部仏教


釈迦の没後、約500年を経て仏教的な考えにより、大乗仏教(だいじょう)上座部仏教(じょうざぶ)に分かれました。また、教えの学び方により、「密教(みっきょう)」と「顕教(けんぎょう)」とに分かれます。


上座部仏教(じょうざぶぶっきょう)・旧名称<小乗仏教>
 
「乗」とは教えの事で、乗り物にたとえられ、小乗とは小さな乗り物です。なぜなら、出家して厳しい修行を積んだ僧侶だけがさとりを開き救われます。したがって、修行をしたわずかな人が救われ、一般の人々は救われません。釈迦の没後の、長い間この思想が定着していました。

★ 小乗仏教(小さな乗り物)という名称は、大乗仏教からつけた差別語なので、  最近では「上座部仏教(じょうざぶ)」といわれています

参考資料:上座部仏教とは?

★ 主要国 スリランカ、タイ、カンボジア、ラオス、ビルマなど・・・


小乗仏教での釈迦のあり方
 
小乗仏教では、さとりを開いた35歳以上の釈迦を崇拝します。


大乗仏教(だいじょうぶっきょう)
 
小乗仏教では修行をしたわずかな人しか救われず、一般の人々は救われません。しかし、釈迦はすべての人々を救いたかったはずである、という思想のもとに誕生したのが大乗仏教です。大きな乗り物ですべての人々を救う事を目的とします。日本に伝えられた仏教は、すべてがこの大乗仏教を基本にしています。
教えの違いにより「顕教(けんぎょう)」「密教(みっきょう)」とに分かれています。

★ 主要国 日本、中国、チベット、朝鮮半島など・・・


大乗仏教での釈迦のあり方

大乗仏教の仏とは、宇宙そのものであり、宇宙の真理とでもいうべき仏陀(宇宙仏)であります。
この仏陀が真理を説き、教えを説きます。しかし、宇宙仏は姿、形が無く、そのままでは教えを説く事が出来ません。そこで仏陀が人間である釈迦に姿を変えてこの世に登場した、と考えられます。


顕教(けんぎょう)
 
宇宙仏を毘盧遮那仏(ぶるしゃなぶつ)といいます。この仏さまは姿、形が無く、言葉で教えを説かれる事が無いので、「沈黙の仏」といわれています。そこで人々に教えを説く為に人間である釈迦を遣わされました。毘盧遮那仏の教え、つまり宇宙の真理を「如(にょ)」といい、ここからやって来た者という意味で釈迦の事を「如来(にょらい)」といいます。

「顕教」とは教えが言葉で顕されている事からこう呼ばれています。

密教(みっきょう)
 
宇宙仏を大日如来(だいにちにょらい)といいます。この仏さまは、自ら教えを説かれる事から「雄弁の仏」といわれています。
密教は、釈迦を通じてその教えを聞くのではなく、直接大日如来から聞こうとしたものです。しかし、その言葉は、私たちには理解する事が出来ません。しかし、本当は、この言葉を聞く受信機を皆持っています。ただ、受信機が煩悩(ぼんのう)の埃(ほこり)で汚れている為、教えを聞く事が出来ないのです。埃を払い、心を清めて研ぎ澄ませば、教えを聞く事が出来るとしたのが密教です。

「密教」とは、なかなか聞く事の出来ない秘密の教えという意味です。

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